【小口径桝】をご紹介!排水経路の要所である小口径桝のあれこれを解説します。

こんにちわ!お世話になります。DKです。

 

今回のご紹介は排水配管の要所である『小口径桝』の種類と意味等の解説をします。

 

小口径桝って何かわかりますか?

庭や駐車場にあるこれです。

この白い丸いのです!

これは排水の桝です。

排水桝とは何ぞや?と言われそうですが、簡単に言うと

詰まりやすい所に設置した点検・掃除用ののぞき穴!

点検口(てんけんこう)とか掃除口(そうじぐち)です。

大きさも色々な種類がありますし、色も2~3種類くらいがあります。

 

取付ける意味は読んで字のごとく点検したり掃除したりする為の窓口ですが

  1. どんなところに取り付けられているのか?
  2. その種類と効果は?
  3. 工事費は?値段は?

という疑問にお答えします。

 

.どんなところに付いているのか?

排水桝を取付する場所は決まり事があります。

  1. 排水経路が合流する時
  2. 排水経路の高さが変わる時
  3. 排水経路の角度が変わる時
  4. 排水桝と排水桝の距離が管径の120倍を超えない距離

の以上4点です。

排水は一番上流の排水から下流へ行くに従い、だんだん色々な排水が合流しながら最終地点である下水道の公共汚水桝、あるいは浄化槽へ、雨水であればU字側溝へ流れています。

その流れていく道中で排水がぶつかる場所へ設けるのが1の合流

中には道路や駐車場から数段高い場所に建物があったりした場合、排水路の角度が急になり過ぎてしまう事があります。そんな時に設ける箇所が高さの変わる所に設置する2の段差点です。

建物の裏側から隣の敷地沿いへ90°に曲がって、又は植木や構造物を避ける為に45°で曲がって等の排水経路が曲がる場所へ設ける3の曲点

一般住宅であれば排水桝と排水桝の距離が12mを超えない距離に設けるのが4の中間点

 

.その種類と効果は?

これは長年使わないとその効力が分かりづらいと思います。何故ならトラブルが起こらないと必要がないからです。

しかし、中には単純に工事金額を下げる為にこの桝達を設置しない業者がいます。そしてお施主さんにもそういう方がみえます・・・・。

困るのは自分なのに。

 

.工事費は?値段は?

これは一概にいくらです!とは言い難いです。

施工のしやすさは?機械で掘るのか?人力か?桝の形状や口径、機能は?等色々な理由が考えられますが

一般住宅のマスなら1箇所あたり100-150桝として

  1. 1本合流のマスなら8,000~13,000円
  2. 1方向のみの段差マスなら5,000~15,000円(落差による)
  3. 曲がりのみのマスなら5,000~10,000円
  4. 中間点のマスなら5,000~10,000円

位です。参考までに。

深くなればなるほど高くなります。

狭ければ手間もかかるので高額になります。

最強なのは機械が入れず、距離も長く、距離が長いから深くなる・・・・

 

中間点に使用する桝の種類はメイン管の口径毎に1種類。段差も曲点もそんなに種類は多くなくて3~6種類位、合流点はめちゃくちゃあります。

中には曲点で曲がりながら合流するとか、どっちの桝だよ?って言うような物もあります。

小口径桝、タメマス

小口径桝とは・・・排水桝の一種。宅内では主に塩ビ製の桝を指す。

タメマスとは・・・排水桝の事。合流点や曲点などに設けて砂や砂利などを『溜める』泥溜めがあり、掃除をして管内を綺麗に保つことが出来る構造になっている。

小口径桝

小口径桝各種
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汚水小口径桝

特徴

硬質塩化ビニル製の小型の汚水マス

コンクリート製とは違い

  1. 高い耐久性により土壌の汚染を防止できる。
  2. 目地が切れないので下水道への土砂の流入を避けることが出来る。
  3. 安価
  4. 施工性が良い

と良い面が目立つが

形が決まっており、現場での融通が利かない。(接続箇所を増やせない)

狭所では接続し慣れていないと角度によっては繋げないことも有る。

という欠点もあります。

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種類と解説、使用法等

標準的な小口径桝

現物写真記号名前使用法
STストレートマスとマスの距離が管径の120倍以内になるように設置する桝。
90L90L90°曲がり管路を90°曲げる桝。
左用・右用・兼用の3種類がある。写真は兼用
45L45L45°曲がり管路を45°曲げる桝。
左用・右用・兼用の3種類がある。写真は兼用
90°合流Y左90Y90°合流Y管路を90°の角度で合流させる桝。
左用・右用の2種類がある。写真は左用、75合流
90°合流段差YS左90YS90°合流段差付YS管路を90°の角度で合流させて、逆流しないように段差が付いた桝。
左用・右用の2種類がある。写真は左用、100合流
45°合流Y左45Y45°合流Y管路を45°の角度で合流させる桝。
左用・右用の2種類がある。写真は左用、100合流
45°合流段差YS45YS45°合流段差付YS管路を45°の角度で合流させて、逆流しないように段差が付いた桝。
左用・右用の2種類がある。写真は右用、75合流
起点トラップUTK起点トラップ一番上流に設置するトラップ付きの桝。
トラップ兼UTトラップ付合流防臭の必要がある管を接続する時に用いる桝。
左用・右用・兼用の3種類がある。写真は兼用
DRDRドロップ高低差のある場所で使用する桝。
小口径桝蓋C-AI様々な口径の小口径桝や掃除口に使用する一般的な汚水桝用蓋。
樹脂
製と鋳物製がある。
角度付や鎖付などの付属品が付帯したモノも多い。
エアーキャップ付小口径桝蓋CY-AIエアキャップ付蓋様々な口径の小口径桝や掃除口に使用する空気取り入れ口の付いた蓋
ダブルトラップ時等の解消に役立つ。

特殊な小口径桝

現物写真記号名前使用法
平行90°変角合流左MM-MY平行90°変角合流合流部が可動する為、平行合流にも90°合流にもなる桝。
左用・右用の2種類がある。写真は左用、75合流
平行90°変角合流段差付左MM-MYS平行90°変角合流段差付合流部が可動する為、平行合流にも90°合流にもなり
逆流しないように段差も付いている桝。
左用・右用の2種類がある。写真は左用、75合流
左右合流段差付WLS左右合流段差付左右から合流する為逆流しないように段差が付いた合流桝。
90°二本合流左90YW90°二本合流左右から二本の枝管が合流する桝。
左用・右用の2種類がある。写真は左用、75合流
短い距離で2箇所接続できる優れもの。
45°90°曲がり段差付左LWS45°90°曲がり段差付45°の角度と90°の角度から合流する為、
逆流しないように段差が付いた合流桝。
左用・右用の2種類がある。写真は左用、100合流
90°曲がりトラップ付左UT-L90°曲がりトラップ付90°の角度で曲がり、尚且つ防臭の必要がある管も
接続できる曲点合流桝。
左用・右用・兼用の3種類がある。写真は左用、75P
45°曲がりトラップ付UT-45L45°曲がりトラップ付45°の角度で曲がり、尚且つ防臭の必要ある管も
接続できる曲点合流桝。
左用・右用・兼用の3種類がある。写真は右用、75S
外側トラップ付90°曲がりOUT-90L外側トラップ付90°曲がり90°曲がりの外側から防臭の必要がある管を、
内側へ合流させる曲点合流桝。
左用・右用の2種類がある。写真は左用、75P
左右合流ドロップDRW左右合流ドロップ左右から合流する段差点に用いる段差合流桝。
90°合流ドロップDRY90°合流ドロップ90°の角度で合流する段差点に用いる段差合流桝。
仕切板型Φ75トラップ付起点UTOK仕切板型Φ75トラップ付起点仕切り板の脱着が可能でトラップ付にもなるし、
防臭対策が必要なければ撤去できる桝。
STMA-STストレートストレート桝と同様なのだが、継手部分が割れていて、
ヤリトリ継手等の使用が出来ない箇所でも設置が出来る

小スペース設置型の桝。
90°合流MA-90Y90°合流Y90°合流のYなのだが継手部分が割れていて、
ヤリトリ継手等の使用できない箇所でも設置出来る
小スペース設置型の桝。
左用・右用の2種類があり、段差付もある
平行合流MX-H平行合流メイン管と平行に合流する桝。
左用・右用の2種類がある。
施工スペースが狭い時に有効。

とりあえずこのくらいで。

写真は全て立ち上がりΦ150、メイン管Φ100の物です。

タメマス、雨水小口径桝

特徴

雨水用の泥溜めがある

雨水小口径桝・・・雨水用小口径タメ桝。汚水小口径桝に泥溜めがついた硬質塩ビ製の小型マス

  • 汚水小口径より種類は少ないがそれでも膨大な数がある。
  • 泥溜め部分に穴が開いており、浸透桝になっているモノもある。
  • 表層部集水の為にΦ300程の大きさの通称『バケツ』なるモノもある。

ただ、泥溜め部分には必然的に水も溜まっているので下記のような問題もある。

  • 蚊が大量に培養される可能性がある。
  • 泥溜め部分の掃除をしていないと、汚泥となり悪臭がすることが有る。

特に表層部の雨水を集水している構造の桝は蓋の部分が格子状になっていたり、穴が開いていたりして、より顕著に表れる。

 

浸透桝とは?

雨水を地下へと浸透させる構造を持ったマス。

地下へと浸透させることにより

  • 川への流入量を減らし水害の軽減に役立てる
  • 地下水源への供給源になり地下水枯渇による沈下を防ぐ。

等の効果が見込めるとても理にかなった設備

 

マスなどへ接続せずに俗にいう『雨水垂れ流し』の状態もこれと理屈は一緒。

見た目などの問題から現在はあまり見かけなくなった。

種類と解説、使用法等

タメマス

現物写真記号名前使用法
STSTストレートマスとマスの距離が管径の120倍以内になるように設置する桝。
 90L90°曲がり管路を90°曲げる
45L45L45°曲がり管路を45°曲げる桝。
90WY90WY90°左右合流管路を十字に接続できる桝。
90LX90LX90°曲がり内合流管路を90°曲げながら枝管を接続できる桝。
45LX45LX45°曲がり内合流管路を45°曲げながら枝管を接続できる桝。
90Y90Y90°合流管路を90°の角度で合流させる桝。
左右兼用
雨水小口径桝用蓋UMCK-AI雨水小口径桝蓋様々な口径の小口径桝や掃除口に使用する一般的な雨水桝用蓋。
樹脂製と鋳物製がある。
格子の形状との差で色々ある
バケツTMタメマス
バケツ
バケツの形をした雨水桝用のタメマス。
樹脂製で穴あけ加工がしやすい
小口径桝に比べて掘削量が多い
嵩上げTMAタメマス用嵩上げタメマス用の嵩上げ材。
5㎝ピッチで30㎝位まである。
タメマス用パッキンTMPタメマス用シールパッキンタメマス用のパッキン
バケツ用蓋タメマス用蓋タメマス用の一般的な蓋
耐荷重付きの物もある
穴あきや格子状の物もある。

こちらもこのくらいで。

まとめ

今回は排水配管をする時に欠かせない『小口径桝・タメマス』について解説しました。地域やメーカーでも呼び方が違うことが有りますがご容赦ください。

 

今回紹介したものは私のいつも使用するモノばかりですので、独断と偏見です。それに100-150100×75-150といった一般住宅で使用する桝だけです。

  • 因みに100150とは
  • メインの排水管の太さがΦ100。桝の立ち上がりの大きさがΦ150という意味です。
  • 100×75150とは
  • メインの排水管の太さがΦ100。接続している枝管の太さがΦ75。桝の立ち上がりの大きさがΦ150という意味です。

 

これも屋外排水配管の一部ですので、覚える順序としては1番2番です。

  • 私が考える新人さんに教える順序は以下の通りです。
    1. 雨水配管 屋外 ← ココ
    2. 排水配管 屋外 ← ココ
    3. 給水配管 屋外
    4. 給湯配管 屋外
    5. 排水配管 屋内
    6. 給水配管 屋内
    7. 給湯配管 屋内
    8. 機器設置
    9. 修理
    10. 設計
  • 6と7は最近同じ材料を使用するので同率でもいいですね!
  • 私が教えてもらった時代はお湯は銅管でしたので、給湯の方が難易度が高かったのです。

このように小口径桝・タメマスは覚える順序的には優しい部類なのですが、DIYで扱うには小口径桝は少々難しいと思います。

どうしても施工してみたいという方は、また施工方法の記事も書きますのでそちらを参考にしてください。

 

種類も大雑把にはわかっていただいたと思いますが、本当に種類が豊富です。

例えば90°曲がりで100-150の桝でも、

  1. 左曲がり用の桝なのか?
  2. 右曲がり用の桝なのか?
  3. それとも左右兼用の桝なのか?

と同じ用途の桝でも3種類あって、尚且つ125-150であったり、100-200があったり・・・・

もうそれは笑ってしまうくらいに豊富です。

 

重要なことは、その施工場所に最も適した桝を設置出来ているか?という事になるのですが、形状は合流か?曲点なのか?段差なのか?と現場の状況から判断は出来ますし、そもそも設計士さんの入っているような大きな建築物では設計書に記載されています。

 

鵜呑みにはできませんが、大まかにはその2点からの考察で大丈夫です。

 

でも、ちょっと待ってください。

金額的には?となると話が少し違ってきます。

例えば洗面化粧台からの排水と、洗濯排水お風呂の排水などはすごく近くにあって桝同士をくっつけて配管せざる負えない場合もあります。ほとんどが洗面+洗濯とお風呂の様に3か所の排水が2本ででています。

そうした時にただの90°Yや45°Yを2つ付けるのでは無く、90WYなど1つで済ませられる桝があれば1つあたりの施工単価は上がりますが(桝が特殊で高く、2つ接続するので2倍)2つ付けると思えば合計での金額は抑えられるはずです。

  • 例 同じ条件・・・同じ口径、同じ深度等
    1. 90°Yを1つ10,000円で2つ付けると合計は20,000円です。
    2. 90WYを1つ設置すると13,000~17,000くらいで施工できます。

というように、ここでも『お客さんのために』なるように施工を心掛けることで信用は上がると思います。

ただ、施工の条件によってはトラブルが発生した際や、修理時等に支障をきたすようであればこの限りではありませんが・・・

 

さて次回は継手類の中からステンレス継手の紹介と解説を使用と思います。よろしくお願いします。

今日もありがとうございました。

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