こんにちわ!お世話になります。DKです。
今回は配管に使用する『バルブ』の紹介と解説です。
これって修理の時の有る無しで結構重要になってくるモノなのでしっかりと覚えていってください。
- バルブって何?止水栓って何?
- 必要あるの?
- どんな種類があるの?
1.バルブと止水栓って何?
バルブとは・・・パイプ内の液体や気体などの流体が通る系統に設置され、流量や圧力、方向などの制御を行うことを目的としたモノ。弁。開いたり閉じたりして使用する。手動開閉式のモノや電動開閉式のモノ等がある。
止水栓とは・・・故障やメンテナンスの時に水を止めたり、流量の調整を行う為に水回りの器具と水道管との間に設置されているモノ。水栓などの足に付いていて一体になっているモノと、洗面化粧台やトイレの便器等のように壁や床から出ているハンドルやドライバーで開閉するモノがある。
2.必要あるの?
バルブや止水栓は必要か?という質問は結構な頻度でお客さんからいただくのですが、
答えは『必要です!』。
お客さんの考えにもよりますが、一般の家庭ならそんなに沢山はいりませんが、メーターボックスの所の元バルブ以外に1~2個は必要です。メーターボックスの所のバルブしかない家もちらほらありますし。ただ、普通にパイプで配管していくよりもバルブを設置する方が金額は高いです。
しかし、例えば母屋と離れ、若しくは2世帯住宅の1階と2階等、敷地内で2世帯又は2系統の生活様式の有る家庭で修理に伺ったとします。水を止めて作業をしたいのですが、もう片方が洗濯や夜勤明けでお風呂に入っている等止められない状況になっていたりします。
そんな時に2系統の配管を別々に止められるように設置されていれば困ることも有りませんし、結果修理時間が短くなり、修理金額も安くなったりします。
工場等のような敷地も建物も広いお客さんは必須です。こまめに付けておくと後々必ず役に立ちます。各棟毎に、そして屋外から屋内への侵入箇所毎にと細分化して図面に残しておくと尚良しです。
3.どんな種類があるの?
この質問の答えは結構難しくて、材質別の種類なのか、または用途別の種類なのかと分け方で色々ざるからです。ココでの判別は構造別の種類について記載します。
- 大別すると以下の6種類です。
- ゲートバルブ、スリースバルブ、仕切弁
- グローブバルブ、ストップバルブ、ジスクバルブ、玉形弁
- ボールバルブ、ボール弁
- チャッキバルブ、チャッキ弁、チェックバルブ、逆止弁
- バタフライバルブ、バタフライ弁、バタ弁
- ダイヤフラムバルブ、ダイヤフラム弁
バルブ
ゲートバルブ
- 別名
- スリースバルブ
- 仕切弁等
- 種類
- ウェッジ仕切弁
- パラレルスライド弁
- ダブルディスク仕切弁
- ベンチュリポート仕切弁等
特徴
流路が真直ぐ直進的なので圧力損失が極めて小さい。全開全閉で使用する。
- メリット
- 全開にすると圧力損失が極めて小さい。
- 対応する口径が多い。
- 開閉時のトルクが比較的小さい。力があまりいらない。
- 止水性能が非常に高い。
- 有効長(面間距離)が比較的狭い。
- デメリット
- ハンドルを回す為、全開全閉に時間がかかる。
- 流量調整には不向き。
- 開閉で弁体がかなり動くため取付には広いスペースが必要。
- 半開きなどで使用すると振動や浸食が起きる。
使用法等
流量調整を必要としない箇所への設置。
道路下の水道管、工場内配管の仕切弁。
メンテナンスや修理時に止水するためのバルブ。
グローブバルブ
- 別名
- ストップバルブ
- ジスクバルブ
- 玉形弁等
- 種類
- ニードルバルブ
- アングルバルブ
- ベローズバルブ等
特徴
本体が丸みを帯びているために玉形弁と呼ばれている。流体の入口と出口は直線状にあるが、流体的にはS字に流れる。流体の圧力損失が大きい。
- メリット
- 流量調整に長けている。
- 止水性能が非常に高い。
- 使用可能温度の範囲が広い。
- 使用可能圧力の範囲が広い。
- デメリット
- ハンドルを回す為、全開全閉に時間がかかる。
- 全開時の圧力損失が大きい。
- 有効長(面間距離)が広い。
- 開閉時のトルクが大きい。力がいる。
- 大口径には使用しない。
使用法等
流量調整が必要な箇所へ設置。
メンテナンスや修理時に止水するためのバルブ。
ボールバルブ
- 別名
- ボール弁
特徴
流路が真直ぐ直進的なので圧力損失が極めて小さい。全開全閉で使用する。
90°捻るだけで全開全閉になる為、時間を掛けずに操作できる。
- メリット
- 全開時の圧力損失が極めて小さい。
- 90°の開閉で全閉全開になる。
- 取付スペースが狭くて良い。
- 気密性に優れている。
- デメリット
- 開閉時のトルクが比較的大きい。力がいる。
- 流量調整には不向き。
- 大口径には使用しない。
- 有効長(面間距離)が広い。
使用法等
流体を止める性能も高い為、その操作性の高さからゲートバルブの互換品として使用されることが増えつつある。
ボールバルブの変形で特殊な形のバルブで三方弁、三方バルブがある。
90°で全開全閉になる為、勢いよく開け閉めしていると流体の運動力をもろに受けてウォーターハンマー現象が起こる。過度に繰り返しているとダメージが蓄積されて、金属疲労が起こり本体若しくは配管が破損することが有るので注意する。
半開き状態で長年使用しているとボールが削れて止水できなくなることが有る。
チャッキバルブ
- 別名
- チャッキ弁
- チェッキバルブ
- 逆止弁等
- 種類
- スイングチャッキ
- リフトチャッキ
- バタフライチャッキ
- デュアルプレートチャッキ等
特徴
流体からの逆圧によって弁体が閉まり、逆流を防止する。他のバルブと違い、管内の流体を任意で止める術がない。
逆流をせき止めるが100%ではないため、クロスコネクション防止などにはならない。
- メリット
- 逆圧が生じたときに機器到達前にせき止める。
- デメリット
- 性能差がある為、選定には気を付ける。
- ゴミ咬み等で機能しなくなるので対策が必要。
使用法等
メンテナンススペースと機器などの設置位置から取り付け場所を選定する。ストレーナとセットで設置することが多い。
逆流防止が100%でないことを頭に入れておくこと。
バタフライバルブ
- 別名
- バタフライ弁
特徴
ハンドルを回して管内の弁体を90°回転させて流体の制御をするバルブ。全開全閉も流量調整も出来るなど汎用性が高い。
- メリット
- 全開時の圧力損失が比較的小さい。
- 流量調整に長けている。
- 対応する口径が多い。
- 開閉時のトルクが小さい。力が要らない。
- 有効長(面間距離)が狭い。
- 気密性に優れている。
- 操作性が良い。
- メンテナンスが簡単。
- デメリット
- 止水部の材質によって流体の種類と使用温度の制限がある。
使用法等
設置スペースが少なくて済む為、配管が複雑な箇所や機械室などで重宝される。
ボールバルブと同じく、過度な急開閉は要注意!
ダイヤフラムバルブ
- 別名
- ダイヤフラム弁
特徴
他のバルブとは異なりバルブの駆動部と流体がダイヤフラムで遮断されおり、駆動部の隙間に流体が入り込んだり、駆動部のグリス等の不純物が混じることがない。
- メリット
- 全開時流体通路の曲がりなどが無く圧力損失が比較的少ない。
- 駆動部からの漏れの心配がない。
- 耐食性及び耐摩耗性に優れている。
- メンテナンスが容易。
- デメリット
- ダイヤフラム部の材質次第で流体温度、圧力、使用条件などがかなり変わる。
使用法等
構造上の特性から食品工場や医薬品製造、化学工場や半導体関連のプラントなどかなりデリケートな流体を用いた配管へ使用される。
まとめ
今回は配管工事でもかなり重要な『バルブ』の解説をしました。
大別すると上の6種類に分類されるのですが、これを材質や用途などで分類するときりがありません。地域やメーカーでも呼び方が違うことが有るので更にややこしいです。
このバルブの施工を覚える順序としては8番の機器設置に該当すると考えます。
- 私が考える新人さんに教える順序は以下の通りです。
- 雨水配管 屋外
- 排水配管 屋外
- 給水配管 屋外
- 給湯配管 屋外
- 排水配管 屋内
- 給水配管 屋内
- 給湯配管 屋内
- 機器設置 ← ココ
- 修理
- 設計
- 6と7は最近同じ材料を使用するので同率でもいいですね!
- 私が教えてもらった時代はお湯は銅管でしたので、給湯の方が難易度が高かったのです。
理由は、配管は出来てもその選定理由がわからないからです。
どうしてそれを選ぶのか?何故こっちのバルブではないのか?等の理由です。種類も多いですしね。
それにちょっと特殊なバルブ達もありますので少しご紹介します。
左のバルブは、お前はボールバルブなのか?チャッキ弁なのか?というバルブですし、右は流体の方向を変える為のバルブであって、止めることはできません。
一般の家庭で使用されているバルブは、
- ゲート
- グローブ
- ボール
の3種類にチャッキ弁が有るか無いかだと思います。
DⅠYで使用するなら上記の3つの中のどれかです。
全開全閉。
圧力損失が極めて小さい。
古くなると弁棒が折れて弁体だけ落下してしまう。
流量調整に長けている。
圧力損失が非常に大きい。
古くなったら弁体の交換ができる。
全開全閉。
圧力損失が極めて小さい。
ウォーターハンマーが起こりやすい。
簡単にまとめておいたので参考にどうぞ!
さて次回は宅内業者の工具⑥を解説します。よろしくお願いします。
今日もありがとうございました。