こんにちわ!お世話になります。DKです。
今回は『継手』の中から水道配水用ポリエチレン管継手の解説をします。
率直な感想は
晴れていて、湧水のない現場でならおそらく道路下の水道管としては最強だと思います。
- どうして最強?
- 雨や水が湧く場所では?
1.どうして最強?
- 配水管としての性能の高さ
- 施工性の良さ
配水管とは浄水を配水池から家庭まで送る管なのですが、その管種が選択される理由に『耐震性』と『耐久性』があります。
この管はその『耐震性能』が極めて高い管種なんです。大手メーカーの実験結果や、震災時の被害報告などを見れば一目瞭然で、今まで配水管として使用されてきたどの管種よりも高性能です。
そして『耐久性』ですが、配水管に必要な耐久性は管自体の内外面の腐食強度と「もちの良さ」だと思います。腐食強度は塩ビ管の様に古くなって硬化し、柔軟性が無くなり少しの振動での破損や内圧での自損は考えにくく、鋼管や鋳鉄管等の金属管の様に管内外の錆に悩まされる事も無いです。
多分関係各所の担当者の願いが一番強いと思うのは『錆が出ない』の一択ではないかと。
そしてこの管、クボタケミックス社さんの検証結果として100年以上の寿命があるみたいですよ。
それとこれも重要、施工性の良さ。私はあまり大きな口径での作業経験はありませんが、それでも鋳鉄管と比較するととにかく軽い。Φ100の管であっても接合するだけなら一人で出来てしまう。
これだけで凄いと思うのは私だけか?
しかもそれを2本3本4本と繋げていけるのだから本当に便利。
けれども、少し弱点がある。私の地元ではこの管を使用しているのは小口径の配水管です。そして下水道の整備と同時に配水管の改良もしているのですが、その同時施工の工事になっていた場合に土木屋さんのペースに合わせにくいという欠点があるんです。
というのも実際道路を掘るのは土木屋さんで、その掘った堀山へ水道管を入れさせてもらうというのが同時施工なのですが、土木屋さんの扱う管と水道屋の扱う管の延長差や施工現場の状況によって1本ずつの施工になった場合にこの配水ポリは最大の利点である全て融着による一体化ができなくなってしまいます。
2.雨や水が湧く場所では?
これが先ほどの施工性の良さと紙一重の部分だと思うのですが、雨天や降雪があると途端に施工性が悪くなります。
融着不良が起こりやすくなる為です。
EF継手は継手内部に電熱コイルが張巡らせてあり、その熱で溶かし固めて一体化させるのですがそこに雨の水滴や雪が落ちるとその一部分の温度が急激に下がり、うまく溶け合わず接合不良になります。これは銅管継手の接合時とよく似ています。
それを回避するために簡易テントを設置したり、水没したり水が掛からないように窯場のような水抜き場所を設置したりとかなり面倒くさい事になってしまいます。
継手 ⑪
継手とは・・・2つ無いし3つの部品や部材を結合する事、またはその結合部分の事。
水道配水用ポリエチレン管継手
EF継手
特徴
2本の触覚みたいな角と、バーコードが付いている樹脂製の継手。
接合には専用のコントローラーやクランプが必要で、専用の手順や確認方法があり、禁止事項、注意点も多い。
晴天時ならば施工性は抜群!
雨天・降雪時には逆にとても注意が必要!
小口径管ならば接合だけなら1人で出来る。
種類と解説、使用法等
EF継手
現物写真 | 記号 | 名前 | 使用法 |
---|---|---|---|
EFS | ソケット | パイプとパイプを真直ぐに接続する継手。 | |
― | EF両受90B | EF両受90°ベンド | パイプとパイプを90°曲げて接続する継手。 |
― | EF片受90B | EF片受90°ベンド | パイプとパイプを90°曲げて接続する継手。 片方が受け、片方が差し。 |
EF両受45B | EF両受45°ベンド | パイプとパイプを45°曲げて接続する継手。 | |
EF片受45B | EF片受45°ベンド | パイプとパイプを45°曲げて接続する継手。 片方が受け、片方が差し。 | |
EF両受22½B | EF両受22½°ベンド | パイプとパイプを22½°曲げて接続する継手。 | |
EF片受22½B | EF片受22½°ベンド | パイプとパイプを22½°曲げて接続する継手。 片方が受け、片方が差し。 | |
EF両受11¼B | EF両受11¼°ベンド | パイプとパイプを11¼°曲げて接続する継手。 | |
EF片受11¼B | EF片受11¼°ベンド | パイプとパイプを11¼°曲げて接続する継手。 片方が受け、片方が差し。 | |
― | EFT | EFチーズ | パイプとパイプを90°の角度で、若しくは左右へ分岐する継手。 3口とも差し、1口が差し・2口が受け、2口が差し・1口が受けの 3タイプがある。 2口受けタイプには1口接合と2口接合がある。 異径タイプもある。フランジ付きもある。 |
― | EFIN | EFレジューサ | 異径のパイプとパイプを真直ぐに接続する継手。 片受タイプもある。 |
― | Ca | キャップ | パイプの止めやカバーに使う継手。 |
EF特殊継手
現物写真 | 記号 | 名前 | 使用法 |
---|---|---|---|
― | EFF | EFフランジ | 片方がフランジで、もう片方がソケットになっている継手。 ソケット側が差しのタイプもある。 JIS10k型や水道フランジ型もある。 |
― | EFSB | EFSベンド | 両受タイプと両差タイプ、片受タイプがある。 それぞれH300、H450、H600がある。 |
― | F短管 | PE挿口付きF短管 | 片方がフランジで、もう片方がパイプになっている継手。 異種管接合継手。JIS10k型と水道フランジ型がある。 |
― | ― | 異種管継手 | 片方がHPPE挿し口で、もう片方が異種管挿し口 若しくは受口になっている継手。 異種管側が挿し口なのは鋳鉄、受口は塩ビ管用。 |
― | ― | PE挿口ソフトシール | 両方挿し口になっているソフトシール仕切弁。 |
― | ― | EF片受ソフトシール | 片方が受口で、もう片方が挿し口になっているソフトシール仕切弁。 |
まとめ
今回は配管をする上での要所『継手』について解説しました。地域やメーカーでも呼び方が違うことが有りますがご容赦ください。
今回の継手は今までとは違い一般の住宅では扱う事のない管種のモノですので、今までの習得の順番が当てはまりません。
そして、そもそもこの種類を扱う工事の場合は1人や2人の作業員工事では無い為、覚えるのもそんなに遠い未来ではありません。覚えることも多くはないですし。
施工法は
こんにちわ!お世話になります。DKです。今日はポリエチレン管類の中の配水用ポリエチレン管の施工方法と継手の種類、工具類と注意点の解説をしたいと思います。先に言います。この管、天候と現場状況に恵まれればとて[…]
この継手のメリットは
- 配水管に求められる『耐震性能』と『耐久性能』がとても高い水準である。
- 管と継手が一体化する。
- 軽量で小口径のモノは1人でも接合が出来る。
- 管自体が柔らかい為、かなりしなる。
逆にデメリットは
- 急な天候の変化には十分注意が必要。
- 外気温が低すぎると施工自体を中止にした方が良い。
- 他の本管管種よりも禁止事項が多い。
となっています。
実際に配管してみると分かりますが、晴れていて、湧水が無ければ本当に施工しやすいです。
ですが、DⅠYで扱う物ではありませんし、できません。
さて、次回はバルブの紹介と解説をしていきます。よろしくお願いします。
今日もありがとうございました。