白管

【鉄管、鋼管】の施工方法と継手、使用工具と注意点!

こんにちわ!お世話になります。DKです。

今日は鉄管、鋼管の施工方法と注意点を解説します。

最近では一般の住宅に鋼管を使用することはほぼなくなりましたが、公共の施設や工場、オフィスビル等では現在も使用されています。

鉄管、鋼管

VA管

ライニング鋼管 VA・VB・VD

VD管
VD管
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準備

まず下見へ。

1.お施主さんと打合せ

  • どのような器具をどこに設置するのか?
  • どのような目的で使用するのか?
  • 何を通すのか?(水・ガス・油・エアー等)
  • 水の場合、使用水源は何か?(水道・井戸・工業用水・農水等)

をお聞きする。上記を教えていただいたら

2.使用水源などの調査

  • バルブは経路毎に止められるか?必要箇所に取り付けられているか?
  • 流動体に間違いは無いか?(水?湯?ガス?油?エアー?)
  • 水or湯の場合、水源に間違いは無いか?(市水道か?井戸水か?農水か?中水か?等)
  • 分岐予定箇所に配管があるのか?
  • 管種は?
  • 口径は?

二つ目の『流動体に間違いは無いか?』はお施主さんの話を元にしっかりと自分自身の目で裏付けを取る事!これを間違えると補償問題になり得る。細心の注意を払うべし!!

そして三つ目の『水源に間違いは無いか?』はこれも間違えると補償や訴訟問題になりかねないので、これも細心の注意を払うべし!!

そしてクロスコネクション(異なる水源の配管を繋げてしまう事。バルブや逆止弁を付けてもダメ)は厳禁!!

3.測量と機械工具・資材選定

  • 配管の経路、距離と曲点。角度
  • 屋内か?屋外か?露出か?埋設か?
  • 仕上げ材の確認
  • 表層材の取壊しの有無と仕上がり具合
  • 必要日数と人数、音や埃、車の出入りの制限の有無と駐車スペースの確認

等を把握し、必要に応じてお見積書を提出する。

お施主さんのOKをいただき、全ての準備が出来たら、いざ工事!

  • 必須工具
  1. 鋼管 必要口径×長さ
  2. 鋼管継手 必要形状×個数
  3. スケール(メジャー)
  4. 水平器(マグネット付きが管にくっつくので便利)
  5. シールテープ
  6. ヘルメチックシール
  7. モンキーレンチ
  8. パイプレンチ、コーナーレンチ
  9. ネジ切機
  10. 切断機

必要に応じてその他の工具を追加する事!

継手の種類

  • S  ソケット    管と管を真直ぐ接続する。
  • L  エルボ     管と管を90°曲げて接続する。45°曲がりはある。
  • T  チーズ     管を分岐する。
  • IN インクリーザー 管の口径を変更する。異径継手。S・L・Tがある。
  • Bu ブッシュ    管の口径を変更する。異径継手。INよりも継手有効長が短い。
  • Ca キャップ    オスネジに付けて配管路を止める。
  • Pu プラグ     メスネジに付けて配管路を止める
  • 水栓継手 インコア継手(コア内蔵継手)において片方が器具接続のためにコアが入っていない継手。S・Lがある。相手は器具か異種管になることが多い。異種管接合継手。
  • U ユニオン 便利継手。修理やメンテナンス、将来増設や分岐のために管を分解しやすくしておくに適している。施工の順序や工程上必要になることもある。例えば左から配管をしてきたが、他業者と工事箇所が被る為に右から配管をしてくるとすると、両者がぶつかるところで配管を繋げる継手。

その他にも便利な継手は有るが、使用するのはおおよそこのくらい。

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施工方法と注意点

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地中埋設型 新設配管 VD
  1. 管両端のネジ部を養生して、堀山へパイプを入れて配管全体を見る
  2. シールテープを必要回数巻く
  3. パイプを継手へねじ込む。文字を上に向ける。(継手によってはパテを盛り込む
  4. 埋め戻す前に通水し漏れをチェックした後、通りを測り、目視で確認する。
  5. 大きい石や尖った物が配管に当たらないように管横まで細かい土や砂で埋める。
  6. 配管が浮かないように上から押さえながら管下の隙間をつつく
  7. 配管を上から軽く踏んだり押したりして下がったりたわまなければ、通りを確認した後また石等に気を付けて土を被せる。
  8. パイプより10㎝~20㎝位被せたら足で踏み固める。これを繰り返して埋める。
地中埋設型 既設接続 VD
  1. 水源や経路を確認し、止める。
  2. 将来の必要性に応じてバルブ等を取付ける
  3. 既設管を切断する。
  4. 既設管内の水分をある程度切る錆びや切りカスがあれば取り除く
  5. 既設管へパイプを仮に繋げて配管全体を見る
  6. シールテープを必要回数巻くからは同じ。
露出配管型 新設配管 VA・VB

露出配管の場合は屋外なら耐候を考慮して保温材で被覆する。農業関係の管では裸のまま配管する事も多い。井戸水や温度差の激しくなる流動体を通す管は防露材として被覆する。

  1. 排水管や他の管と干渉しないように最短のルートを決める
  2. ルート上の必要な位置に支持金具を取り付ける
  3. パイプを仮配管して全体を見る
  4. シールテープを必要回数巻く
  5. パイプを継手へねじ込む。文字を前面に向ける。(被覆しない時は文字は後ろへ向ける)
  6. 通りを測り、目視で確認する。
  7. 支持金具で固定する。
  8. 通水し漏れをチェックした後、被覆材を取付ける
露出配管型 既設接続 VA・VB
  1. 排水管や他の管と干渉しないように最短のルートを決める
  2. ルート上の必要な位置に支持金具を取り付ける
  3. 水源や経路を確認し、止める。
  4. 将来の必要性に応じてバルブ等を取付ける
  5. 既設管を切断する。
  6. 既設管内の水分をある程度切る錆びや切りカスがあれば取り除く
  7. 既設管へパイプを仮に繋げて配管全体を見る
  8. シールテープを必要回数巻く
  9. パイプを継手へねじ込む。文字を前面に向ける。(被覆しない時は文字は後ろへ向ける)
  10. 通りを測り、目視で確認する。
  11. 支持金具で固定する。
  12. 通水し漏れをチェックした後、被覆材を取付ける
屋内配管(隠蔽)型 新設配管 VA・VB

鋼管の屋内配管はコンクリート壁等に隠蔽する(埋め込む)形の配管方式で、修理やメンテナンスの関係上現在はあまり選択されなくなった。

  1. 排水管や他の管と干渉しないように最短のルートを決める
  2. パイプを仮配管して全体を見る
  3. シールテープを必要回数巻く
  4. パイプを継手へねじ込む。文字を前面に向ける
  5. 通りを測り、目視で確認する。
  6. 通水し漏れをチェックした後、防食テープを巻く
  7. 支持金具で固定する。
屋内配管(隠蔽)型 既設接続 VA・VB

露出型の既設接続とほぼ同じ工程。露出型は支持金具を先に付けて保温するが、こちらは通水試験が先で防食処理をしてから支持をする。

  1. 排水管や他の管と干渉しないように最短のルートを決める
  2. 水源や経路を確認し、止める。
  3. 将来の必要性に応じてバルブ等を取付ける
  4. 既設管を切断する。
  5. 既設管内の水分をある程度切る錆びや切りカスがあれば取り除く
  6. 既設管へパイプを仮に繋げて配管全体を見る
  7. シールテープを必要回数巻く。
  8. パイプを継手へねじ込む。文字を前面に向ける
  9. 通りを測り、目視で確認する。
  10. 通水し漏れをチェックした後、防食テープを巻く
  11. 支持金具で固定する。

『1.全体を見る』は敷地や建築物、構造物に対して平行か?垂直か?等、真上から見たり、敷地の平面図や鳥観図を描いた時の見た目を気にして、綺麗に解り易く配管する。

水を切るのがある程度良いのはTS接合で無くネジ接合の場合、接着不良が無い為。ただ、ヘルメシールを塗布した時はなるべく切るように。既設接続時の錆びや切りカスがあれば取り除くのはその先を折角新規で配管したにも拘らず、すぐに障害になり得るモノを見つけた時に除去しておく。

文字を上に向けるのは、将来管を破損した時等に管表面だけ掘り出せば口径がわかるから。露出配管時でも保温材を被せる時や塗装を施す時は字を表へ向ける。

埋め戻す前に通水し、漏水の有無を確認する。一般家庭の水栓や経路増設ならこれでOKだが、新築や工場・店舗等ではテストポンプを使って圧力をかけ、元請さんや発注者の方への試験報告書を作成する必要がある。

石や尖った物はこの管種以外でも気を付けなければならないが、金属管なので管自体の損傷よりも防食材を傷めないようにという意味合いが強い。

既設接続時の『水源や経路を確認し、止める』は一番重要項目である。先にも記載した通り補償や訴訟になってしまうこともある。絶対に間違えないように!もしクロスコネクションを見つけた場合、お施主さんに事の重大さを説明して、経路を切り離す等の対応をする必要がある。

今日のまとめ

今日は鋼管の施工方法と注意点を解説しました。

昔から使われている管にも拘らず未だに重宝され、尚且つ職人の勘?みたいな感覚も必要です。シールテープを巻く回数であったり、管を締め込む力加減であったり・・・・

熟練の職人でも確率が相当低いだけで、漏れることはあります。そして漏れるとそこを何回修理してもダメな時があります。面白いことに、そういうところを覚えたての新人が配管をして漏れが止まることもあるのです。

水道の漏水を調べるには、水道のメーター器を見るのが手っ取り早いのですが、今回解説した鋼管などのネジ接合部が漏れるとメーター器に反映されないこともあり発見が遅くなりがちです。1年2年どころじゃなく新築当時から漏れていたであろう現場も沢山見てきました。(現在は市役所提出書類に水圧試験の項目があるので、まず大丈夫です。変な業者に当たらなければ・・・)

ですので、何回も言うようですが水道屋の友達は作っておくべきと思います。

さて、次回はポリエチレン管類の施工方法と継手、工具と注意点を書きたいと思います。よろしくお願いします。

今日もありがとうございました。

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