今回はその他の管種として「ボイド管と樋管」を紹介する。
ボイド管は管とあるが実際に配管に使用するパイプとはちがう。材質が硬い紙である。
樋管は字のごとく雨樋に使用する管で、肉厚が極薄である。
その他の管
ボイド管
特徴
紙製の管。管というよりも筒。これを壁や土間部分に設置してからコンクリートを流し込み、固まったら取る。するとその部分に穴を開けたようになり、水道管、ガス管や電線などを通せるようになる。
紙製であるので二度使用はできない。ただ、ビニールハウスの柱の基礎等としてこの管を半割にし、円形基礎の型枠に使用した場合は、2回くらいなら使いようで行けなくもない。
呼び径 50~1,200㎜まで26種類
メリット
建設現場等でコンクリート構造の工作物へ最初から穴を開けておく為の紙製の筒。この『最初から開けておくことが出来る』事が非常に役に立つし、建築検査もスムーズに通せる。
理由はそのボイドを設置した箇所には完成すると穴が開く。穴が開くという事は構造物の強度に問題が発生する。しかし前もって穴が開く箇所がわかるのだから、専用補強筋のウェブレンやリンブレン等を入れてその穴の場所を補強すればいいのである。
それに後から穴を開けるとそこにある鉄筋も一緒に穿孔してしまう為、修繕等での配管替え等の場合を除いて基本的にはやめた方が良い。
現在はコンクリート建造物のスリーブとして使用できるものは様々あるが、モノ単体であればボイド管は最も安価で口径も色々な物がある。
切れ端でも取っ手を付けてコンクリートを流せば、重りを作ることも出来る等応用を利かせば使い勝手は非常に良い。
デメリット
上記のようにコンクリートの打設前に必要箇所に設置するのだが、その固定が面倒くさい。
簡単に付けると斜めに曲がったりブラブラしたりして格好が悪いし、ガチガチに固定しようとすれば時間がかかる・・・・
専用のバンドもあるが少々値が張る。
使用用途
コンクリート構造の建造物などの壁や土間へ前もって穴を開ける為のスリーブ管として使用する。
使い方としては壁なら
- 仕上がり壁厚よりも5㎜~8㎜くらい短く管を切断する。
- 切った管の両端をテープ等で隙間が一切ないように塞ぐ。
- 1・2で作った管を貫通予定箇所へ設置する。
- 3で設置した箇所へ指定の補強筋を入れる。
- 監督員や元請さん、お施主さんに確認の為立ち会ってもらう。
- 型枠を取り外すタイミングでスリーブ管も撤去する。
土間なら1番だけが『仕上がり高さより5㎝くらい長く管を切断する』に変わる。
撤去時、一般住宅用の基礎等のように厚みが10㎝~15㎝なら専用の工具は必要ない。
樋管
特徴
建築物の雨樋に使用される管。塩ビ製や鋼製、銅製がある。
管自体の肉厚が滅茶苦茶薄く、変形し易く傷つき易いし、衝撃に激弱。
取り扱いが難しい。
メリット
肉が薄い為切断はしやすい。
専用の継手や部材があるので銅製で無ければ誰でも施工できる。
白、黒、ブロンズ等の色に加えて、丸や角等の形も色々ある。
デメリット
もし修理が必要になった場合、一般住宅の塩ビ製の管であればよいが、銅製になると板金屋さんへお願いするしかない。
肉が薄い為劣化した管に立てかけた物が「こつん」と当たっただけで割れたりする。
使用用途
雨樋の立管用の見た目の良い管。
その他の管種の代用はできない。
まとめ
今日はボイド管と樋管について解説しました。
ボイド管も樋管もホームセンターなどでも売っている所もあるので見た事ある方も多いと思います。ボイド管は管といっても中へ水などの流動体は流せませんし、樋管はその薄さから地中埋設には使用できません。
流石にボイド管を排水管として使用している現場は見た事がありません。しかし、昭和の時代の建物の中には、VU管で配管してあるはずの雨水の地中埋設管がこの樋管で配管してあった家も多くは無いがありました。(配管した水道屋さんがハズレだったのか、そういう風潮があったかは分かりませんが)
DIYをされる方なら一度使用してみるとガーデニング等の幅が広がるかもしれません。また機会があれば使用中の作業風景や応用も写真付きで載せたいと思っています。
さて、次回は水道屋さんの消耗品類を解説したいと思います。よろしくお願いします。
今日もありがとうございました。