こんにちわ!お世話になります。DKです。
今回は『給水管の漏水修理』の解説です。
ご依頼内容は
トイレの水道のあたりから水が染み出てきていて、段々とひどくなってる気がするので直して欲しい。
という内容です。
早速下見してきました。
- 現場は暗く、通路であるため少し狭い。
- 水道管がどこを通っているかわからない為、壊してみないとどうなるか予測が付かない状態。
- 直ぐ近くにも露出の水道管があるが、音は聞こえない。
なかなか難しい感じ。
上手くいけば早く済ませられるけど、なんとも言い難い状況です。
ご提案?できたのは
- 2番の壊してみないとどうなるかわからない
というちょっと情けない結果になってしまった。
が、まぁよくある事なので気にせず行きましょう!
お客さんは仲の良い先輩のお店です。
- 既設管の探査
- 新設給水配管
- 通水試験
- 器具接続
- 土間コンクリート復旧
となっています。
- DK
- 72歳のゴリポン師匠
さて、では工事開始です。
施工事例 Mission.8
トイレの水道のあたりから水が染み出てきていて、段々とひどくなってる気がするので直して欲しい。
着手前の写真を撮り忘れたーーーー!!
1.既設管の探査
既設管探査
- 再度漏れの確認
- 工事箇所の選定
- 土間コンクリート解体
- 人力掘削
ポイントは②の「工事箇所の選定」
これをミスすると、どれだけ探しても既設管が出てこない。
ココでの既設管の探査は
- メイン管
- メイン管からの分岐部
上記2点とも探さないといけない。
発見時の私の感想
「うわー、分岐してある所の距離が全然ないじゃんか・・・・・しかもΦ20だしね・・・・」
2.新設給水配管
- 水を止める。
- 既設管を切断する。
- 器具を取り外す。
- コアを抜く。
- 配管ルートを決める。
- バルブとHI-VSを組み付ける。
- T字足を設置する。
- 立管バンドで立管を仮に立てる。
- メイン管を接続する。
- 仮で立てた管を本接続する。
- バルブを設置する。
- コア貫通箇所に床出しソケットを差し込む。
- ⑩で立てた管と⑫で差し込んだ管とを接続する。
ポイントは⑤⑥⑦。
- ⑤でおおよそのルートを決める。
- ⑥バルブとHI-VSを先に組付けないとT字足を取付ける位置が決まらない。
- ⑦配管より先にT字足を設置する。
3.通水試験
さて、通水して
- 漏れが収まったか?
- 店中のエアーを抜く。
の確認をしてもらいます。
ゲゲゲ!!!?
水が出ない箇所がある・・・・
先輩ごめんなさい。
水を止めないと工事が出来ません・・・・
店休業にするからいいよーとの事なので、追加Mission発生です。
- 再度配管ルートを決める。
- 水を止める。
- バルブから上の配管を取り外す。
- 直ぐ近くにあった既設露出管を接続できるように加工する。
- 既設の分岐管へキャップを取付ける。
- トイレ内の壁を取り壊して既設管を探す。
- T字足を設置する。
- 再度配管をする。
ポイントは③④⑤⑥⑧
- ③は見た目が悪くなるし後々の事を考えると、ソケットで足すよりもやり直した方が良い。
- ④運よく近くに中から通してきた露出の配管があったので、これを利用する。その為に「中から出てきた管」は「中へ送る管」なってもらい、出てきた管の下の部分は今まで通りの水の流れになる。
- ⑤は④で結局「殺した管」を「生かす」事になったので、キャップをしなければならない。
- ⑥も⑤同様に「生きてしまう」ので、止める必要がある。
- ⑧は全ての既設管にキャップを施して、新設配管を接続する。
4.器具接続
- 器具を接続する。
- 再度、通水試験。
- 漏水の確認の為、養生をして様子を見てもらう。
ココでのポイントは③
漏水していた既設の配管を思いがけず使用する事になった。その為に通水後しばらく様子を見たがどこで漏水しているのかの場所が特定できない為、一週間様子を見てもらう事にした。
5.土間コンクリート復旧
~一週間後~
- 漏水の確認。
- 土間コンクリートの仕上げ用取壊し。
- 壁タイルの仕上げ用取壊し。
- 屋外露出配管部保温材設置。
- 土間埋戻し。
- 土間コンクリート復旧。
- 壁モルタル復旧。
ポイントは②と③。
- ②も③も「仕上げ用の取壊し」
- グラインダーで四角に切断する。
- コンクリートやモルタルが「のせられるだけ」下地を斫る。
厚みにして2~3㎝くらい。
- DK
- スーパーアルバイト君
反省会
無事に完了~🎵
いや~まさかの出来事に見舞われて1週間越しの完成です。
- 再度漏れの確認
- 工事箇所の選定
- 土間コンクリート解体
- 人力掘削
- 水を止める。
- 既設管を切断する。
- 器具を取り外す。
- コアを抜く。
- 配管ルートを決める。
- バルブとHI-VSを組み付ける。
- T字足を設置する。
- 立管バンドで立管を仮に立てる。
- メイン管を接続する。
- 仮で立てた管を本接続する。
- バルブを設置する。
- コア貫通箇所に床出しソケットを差し込む。
- ⑭で立てた管と⑯で差し込んだ管とを接続する。
- 再度配管ルートを決める。
- 水を止める。
- バルブから上の配管を取り外す。
- 直ぐ近くにあった既設露出管を接続できるように加工する。
- 既設の分岐管へキャップを取付ける。
- トイレ内の壁を取り壊して既設管を探す。
- T字足を設置する。
- 再度配管をする。
- 器具を接続する。
- 再度、通水試験。
- 漏水の確認の為、養生をして様子を見てもらう。
- 漏水の確認。
- 土間コンクリートの仕上げ用取壊し。
- 壁タイルの仕上げ用取壊し。
- 屋外露出配管部保温材設置。
- 土間埋戻し。
- 土間コンクリート復旧。
- 壁モルタル復旧。
今回の作業難易度は高い方です。
10段階の内、追加Missionが無く、スムーズに終わっていれば3~4くらい。
実際の難易度は6~7です。
お店を休んでもらったのは申し訳なかった・・・
今回の成果
- HIVPパイプΦ13・Φ25リンクリンク
- HI継手Φ13・Φ25リンクリンクリンクリンク
- MCユニオンΦ25リンク
- ボールバルブリンク
- ステンレスフレキ管リンク
- 化粧ニップル
- ステンレスT字足リンク
- ステンレス立管バンド
- 保温材
以上です。
今回は水道管の漏水修理の施工事例でした。
スムーズに終われた場合と、今回のように予期せぬ事態が起こった場合とでは難易度が全然違ってきます。
勿論後者の方が断然高いわけですが・・・・
実はこれ理由がありまして
これ最初の既設管の配管ですが、赤丸の部分の既設管と基礎の距離が全然ありませんよね
?
本来こんなに近づけて配管はしてはいけません。
何故ならこの「分岐部分の距離」があるのと無いのとで修理の難易度が変わってきます。
どういうことかというと、この既設管と基礎の距離があればこの部分を切り離しキャップを付ける事が出来ます。
その状態で水を送れば、配管をする前に「どこの水栓が止まってどこの水栓が出るのか」の確認が出来るのです。
それで今回のように予定と違うことになってもまたつなぎ直すなりして、お店の休業日に持ち越すとかの対策が出来るわけです。
一番最初の私の感想が正に的中してしまいました。
これDIYをする上でも覚えておいてもらいたいのですが、
継手と継手の距離を「最低でも継手ののり代(パイプが継手に入る長さ)部分(Φ13の場合は25㎜です)以上は離すように」してください。修理の時に最低1回は接続し直せますから。
次回は水道屋さんの消耗品の解説をしたいと思います。
よろしくお願いします。
今日もありがとうございました。